「生きて罪を償う」井上嘉浩さんを死刑から守る会 HP


2018年12月14日


                                 ★新刊の紹介★

井上嘉浩さんについては、あることないこと、さまざまな憶測が飛び交い、生前、井上さんも心を痛めることが多かったです。

門田隆将氏の偏見のない眼で、長年にわたる丁寧な取材を重ねられたことに基づいて書かれたこの本を、
是非とも皆様にお読みいただいて井上さんを追悼してほしい。

そう思って、この本をここに紹介させていただきました。20181213日発売です。


『オウム死刑囚 魂の遍歴 井上嘉浩 すべての罪はわが身にあり』(PHP)

写真がうまく掲載できませんが、ネットで検索すればすぐにヒットします。

https://www.yodobashi.com/product/100000009003068347/

https://www.nippon.com/ja/news/yjj2018121100690/

再審請求についてのご報告

 

井上嘉浩氏のご両親による再審請求は平成30年10月15日に提出されました。

係属部は高裁第8刑事部 芦澤政治裁判長。

また、平成30年11月20日、検察官から平成7年3月1日井上氏が所持していた携帯電話の発信記録が開示されました。

平成30年12月7日、この発信記録、『週刊新潮』(平成30年7月19日号)女性元信者殺害事件の記事、林郁夫著『オウムと私』の文庫本の写し、再審請求をしてくださった弁護士らによって昨年3月1日検証した写真撮影報告書等が提出されました。



オウム裁判が終結したことを受けて、井上嘉浩さんから手紙が届きました。
是非、ご覧ください。→クリック


現在でも、オウムの教え(麻原の教え)を信じている人たちが、人としての心を取り戻すことを願う詩として、井上嘉浩さんから「悲」という詩が届きました。
是非、ご覧ください。
→クリック



その新しい手紙(New Letter)の英訳(English edition)はこちら(Here)です→クリック(click)


《井上嘉浩さんの詩》を更新しました←クリック


署名用紙は、
会の事務局のほうにお送りください。
  署名用紙は、ここ(↓)からダウンロードできますし、事務局に連絡いただければ、お送りします。

署名用紙(日本語版英語版、フランス語版)←クリック

ある程度集まった段階で、
法務省へ提出したいと思います。
ご協力をお願いいたします。


今年(2016年11月)に、支援者の方々が立ち上げてくださったホームぺージや英語のブログを紹介します。
クリックしてぜひご覧ください。

・Compassion カルトを抜けて 罪と向き合う井上嘉浩←クリック

・Compassion;Yoshihiro Inoue Facing His Sins ←クリック


以下↓の英語版(English edition)を更新しました。


Please Click here for Englsih edition→Please click

このホームページの英語版は、ここをクリックして下さい



  
井上嘉浩さんには、死刑によってではなく、生きてオウムの実態解明、犯罪の真相究明、オウムの宗教としての虚偽を明らかにし、一人の人間としての救いを、宗教的要求の向かうべき方向を、我々と共に求め続けてほしい。
そして、決して償いきれるものではない重い罪を生きて償い続けてほしい。
そう願わずにはいられません。
それを実現するためにも我々は死刑執行から井上さんを守らなければならない
と思って、この会は活動しています。

また、生きて罪を償う井上嘉浩さんを支える会は、井上嘉浩さんの死刑に反対するだけでなく、
死刑制度そのものに反対しています。 


手紙 2015年3月10日付の井上嘉浩さんの手紙


2015年1月16日から、元オウム真理教信者の高橋克也被告の裁判が始まります。

高橋被告は地下鉄サリン事件について関与が疑われており、

裁判でもそのことが争点になります。

そして最近マスコミでも報道されているように、

井上嘉浩さんが高橋被告の裁判に証人として出廷することがすでに決まっています。 

それで最近また、井上嘉浩さんがマスコミで報道されることが増えてきましたが、
マスコミが井上嘉浩さんのことを報道するときには決まって、

地下鉄サリン事件では総合調整役

と報道します。

たしかに、井上嘉浩さんの高裁の判決文では
地下鉄サリン事件における井上さんの果たした役割を

総合調整役

としていますし、

最高裁は地裁の事実認定ではなく高裁の事実認定を取りましたので、

マスコミがそのように報道するのはある意味で当然です。

しかし、本当に地裁の事実認定

地下鉄サリン事件において井上嘉浩さんが果たした役割は
連絡調整役あるいは後方支援にとどまる


間違っているのでしょうか

私にはそうは思えません。

地裁判決以降に何一つ新しい事実が見つかったわけでもないのに、

なぜ事件に対する事実認定をそれほど変えなければならなかったのか、

高裁の判決文を読んでも私には分かりません。

そして地裁と高裁の判決文を読み比べてみると、

高裁より地裁のほうがむしろ、事件の流れを細かく丁寧に確認していると思われます。

それで、このホームページをご覧の皆さんに、

ここに一審判決での事実認定と、判決理由の「要点」を紹介したいと思います。


http://yoshi392.sakura.ne.jp/arw004.gifご興味のおありの方は、クリック→をお願いします。



また、さらに詳しくお知りになりたい方のために、

一審(地裁)の判決文の中で、

「地下鉄サリン事件の事実認定」

「井上嘉浩さんが関わったすべての事件の量刑の理由」

を紹介したいと思います。

ご興味のおありの方は、クリックをお願いします。

クリックhttp://yoshi392.sakura.ne.jp/arw004.gif「地下鉄サリン事件の事実認定」

クリックhttp://yoshi392.sakura.ne.jp/arw004.gif「井上嘉浩さんが関わったすべての事件の量刑の理由」



先日、井上嘉浩さんが平田信被告の裁判に証人として出廷しました。

そのときに井上嘉浩さんが証言した内容をマスコミが報道するときに、誤解を生むような表現がありましたので、指摘しておきます。


まず、1点ですが、

地下鉄サリン事件は何のために起こされたということについて、

井上嘉浩さんが「
予言の成就のため」と証言しました。

このことを、ほとんどのマスコミが

新証言

と報道しましたが、

井上嘉浩さんは、


麻原法廷第15回(平成8年11月8日)ですでに、

「麻原が予言を成就させるために、地下鉄にサリンをまくように命じた」

と証言しています。

(
その記録は、このぺージの下のほうに掲載しています)


つまり新証言ではなく、
もう17年前に法廷で証言しているのです。


それから、2点目ですが、


なぜ今まで

假谷清志氏の死について、中川智正さんが井上嘉浩さんと中村昇さんに語ったことを

法廷で語らなかったのか、

また假谷実氏が面会に来られたときに語らなかったのか、


ということについて、法廷で井上嘉浩さんは4つほど理由を述べました。



①殺人の共謀と思われたくなかったから

②他人に罪をなすりつけているように思われたくなかったから

③中川智正さん本人が話すべき

④当時の井上嘉浩さんの弁護団の弁護方針



特に、についてですが、

「自分の犯した罪を話すことに専念してほしい、

他人の罪を重くするようなことを話してほしくない。

話せば、殺人の共謀を思われるだろう。

中川氏から聞いただけで、自分の目で見たわけではないから、

本当に、中川氏ポアできる薬物といわれている薬物を打ったかどうかは推測になる」

という理由で、

当時の弁護人によって法廷で証言しないようにとの助言を受けています。


井上嘉浩さんは平成7年に逮捕された直後に、

すでに假谷清志氏の死についての中川智正さんの発言を

当時の弁護人の方にお話ししていました。



先日の、平田信被告の裁判では、

「この弁護人の弁護方針を受け入れた責任は自分にあります。

御遺族の気持ちよりも、自己保身を優先してしまいました」

と、はっきり自分の責任、罪として認めました。


そのことが報道されるときに、一部のマスコミを除いて、ほとんどが、

「話さなかったのは、自己保身のため」

とのみ報道されて、

話さなかったのは、当時の弁護士の助言を受け入れたからだ

ということを報道していません。

(平野)は、2月3日の平田信被告の裁判を傍聴していましたので、
このことを指摘しておきます。




2014年2月号の『文藝春秋』(152頁~175)に、次の題名で

井上嘉浩さんの手記が掲載されています。


「オウム死刑囚「井上嘉浩」の獄中手記」(門田隆将)


本文はもちろん井上嘉浩さん御本人ですが、それに門田隆将氏が読みやすいように、注を付けて下さっています。

ご興味のある方は是非、お読みください。






この度、

このHPをご覧になって下さっている方々に、是非、お伝えしたいことがあります。

それは、
井上嘉浩さんに手紙を直接送ってくださっても

本人には、「誰が送ったか」、つまり「送り主の名前」しか知らされず、

手紙そのものは、本人には届きません。

たとえば、韓国なら死刑囚との手紙の交流は自由ですが、
残念ながら日本では、そうではありません。

ですから、
もし本人に伝えたいことがありましたら、

この会の事務局(京極寺 平野宛)に、お気軽にお送り下さい。


必ずお伝えします。


この会は、
虎頭祐正(洛南高校宗教科元講師)、児玉暁洋(真宗大谷派教学研究所元所長)、
玉光順正(真宗大谷派教学研究所元所長)、菱木政晴(同朋大学大学院特任教授)
    
が呼びかけ人となって、2007
111日をもって発足しました。



《趣旨←クリックして下さい


                      《活動方針署名など←クリックして下さい

                                                                                        
http://yoshi392.sakura.ne.jp/img_n070.gif
                                      《井上嘉浩さんの詩》←クリックして下さい



《井上嘉浩さんの写真》←クリックして下さい



《井上嘉浩さんの生い立ち》
(母親の手記 )←クリックして下さい




カルトで苦しまれている方々へ

麻原法廷第9回公判での井上嘉浩さん(当時26)の証言を紹介します。

麻原法廷第9回(平成8年9月25)公判の記録

検察官(山本)  「そういうことに気づいた、自覚したということで、どうなったのですか。」

井上嘉浩 「オウム真理教の教えそのものに大きな疑問を持つようになりました。」

検察官(山本) 「疑問を持った結果どうなりましたか。」

井上嘉浩 「結局、オウムの教えでは、この現象世界は私たちの本質から切り離された煩悩、つまり、むさぼり、怒り、無知といった煩悩の情報によって生

じた幻影の世界であり、幻影の世界に生きながら、普通に生きているだけで、煩悩を生起させることによって、来世、三悪趣に落ちてしまう。

特に、この現代社会、煩悩にあふれた現代社会に普通に生きていたら、それだけで悪趣に落ちてしまうんだと、だから、救済するためには、真理の世界を

作るしかないんだと、この煩悩の情報によってできた現実社会を破壊してでも、真理の世界を作ることが魂の救済なんだと教えられてきた。しかし、本当

に、私たちの本質とこの現象世界が切り離されたものなのだろうか、本当に、救済という名の下において現象世界を破壊することが救済なんだろうか、

その救済によって―救済という名の下において、一般に普通に生きている人が巻き込まれて、突然巻き込まれて、死んで、悲しんだとしても、それが救済

のためには仕方なかったんだと言えるんだろうかと。教義からしたら救済かもしれない、でも、別の現実に生きている人たちからしたら、

それは、救済ではないんだと、思い込むようになりました。」

検察官(山本)  「そのように思って、更に、どのように考えるようになったんですか。」

井上嘉浩 「私自身の認識として、この現実世界は、私たちの本質から切り離されたものではないんだと。

この現実世界は煩悩の情報によってできた世界だけではないんだ、

存在の本質からの輝きによって、この現象世界は現れているんだと、

ただし、煩悩やカルマの働きによって、多種多様な現れを醸しだしているに過ぎないんだ。

そのような現実は太陽がすべて平等に照らすように、この世界のどんな些細なものであったとしても存在の本質の輝きに守られているんだと、

そのような存在の輝きである生命を、生命の尊厳を、絶対の真理という名の下において、

救済だという名の下において、悪業を積んでいるから、じゃまだから、汚れているから、必要ないから、と言って破壊することは決して真実ではないんだ、

破壊することは決してあり得てはいけないことだったんと、はっきり気がつきました。

同時に、自分がその破壊になしてきた大きな罪について、自覚するようになりました。」

検察官(山本)  「その点について自覚したということですけれども、それによって、どういうことになったんですか。」

井上嘉浩 「オウムの流れを振り返るうちにあたって、たしかに、松本智津夫氏は自分の教えに基づいていつでも貫徹しようとしていたから、

その姿にひかれて多くの弟子が引きつけられたことは事実である。

しかし、そのようなグルに対して、盲目的に帰依の実践をすることによって、松本智津夫氏がグルから救済者となった段階で、

結局、オウム真理教は堕落してしまったんだなと。

松本智津夫氏が救済者になった段階でオウム真理教の教えは根本的に解脱や救済から逸脱したものでしかなかったんだと、

私自身は決して松本智津夫氏にとって、よい弟子ではなかったと、はっきり気がつきました。

しかし、覚醒を求めるなら、最終解脱者なんていらないし、救済者なんていらないし

尊師も、正大師も正悟師もサマナもそんな階級なんて何もいらない、

教団や組織なんて必要ない。

解脱というのは、グルのコピー人間になることではないんだと、

結局、オウムの教えが私自身が求めていた解脱に導かない以上、願っていた多くの人を救済しなかった以上、

私はオウム真理教を脱会しました。」



(
以上 裁判所速記官 菅野淑子)



お知らせ

昨年、NHKスペシャル「未解決事件File.02 オウム真理教」という番組で、井上嘉浩さんの手紙が画面にうつり、ナレーションが入りました。

そのことで、二つの誤解が生じました。


一つは、リムジンで地下鉄にサリンをまくことが決定したということ。


二つめは、

<井上嘉浩さんは、今までの法廷で、

「地下鉄サリン事件を起こした原因は、強制捜査を遅らせるためだ」と証言してきた
(
実は、
一度も「証言」していない)
にも関わらず、

この番組にうつった手紙で「麻原が予言を成就させるために、地下鉄にサリンをまくように命じた」と

井上嘉浩さんが言っているので、


井上嘉浩さんは、今まで法廷で虚偽の証言をしてきたのだ>

という<誤解>
です。



一つめの誤解については、かつて、このHPでも紹介した『文芸春秋』(2012年8月号)の記事の中で、

「リムジンでは何も決定されず、サリンを散布しても強制捜査は避けられないとの話しで終ったのです。

このことはすでに法廷で証言しています」


という、井上嘉浩さんの手紙の文章を取り上げていただいたことで、誤解は解けたと思います。




二つめの誤解についてですが、

井上嘉浩さん本人にも確認し、法廷の記録も確認した結果、2つのことが言えます。


1.井上嘉浩さんは、
法廷で一度も、「地下鉄サリン事件を起こした原因は、強制捜査を遅らせるためだ」とは証言していません。

それは、井上嘉浩さんの証言を聞いた、検察や裁判官の解釈です。



2.井上嘉浩さんは、
麻原法廷ですでに、「麻原が予言を成就させるために、地下鉄にサリンをまくように命じた」と証言しています。


この証言がなされた麻原法廷第15回は平成8年11月8日です。

井上嘉浩さんの一審判決は、その約4年後の平成12年6月6日です。


つまり、井上嘉浩さんは、この麻原法廷の証言の時期であった、自分の一審の法廷がはじまって、

まだ1年もたっていない時から、この認識に達しており、また証言しているのです。


このような誤解は、麻原公判を取材していれば、まず生じません。

また、オウム裁判を論じている識者の方が、二つ目の誤解を事実であるかのように論じられましたので、

本人の証言のことであり、説明いたしました。



<二つ目の誤解の参考>

麻原法廷第15回(平成8年11月8日)公判の記録

被告人松本 智津夫(麻原)の主任弁護士は、安田好弘弁護士


安田「それで是非あなたに聞きたいんだけれども、あなたの認識で結構なんですけれども、

地下鉄サリンはどういうことを目的として実行されたんですか。何を実現したかったんですか。

まあ、いろんな表現があるでしょう。目的は何だったんでしょうか。」

井上「…」

安田「どうも私どもははたから見てて分かんないですよ」

井上「弟子の立場における認識と…。」

安田「あなたの認識で結構です。」

井上「…松本智津夫氏がやれと言っているんだったら、やるしかないと。

自分でどうのこうのという目的は、基本的には持っていません。」

安田「考えなかった?」

井上「それなりに推測できるところはありましたが」

安田「だからそれを聞きたいんですよ」

井上「推測はあくまで推測であって」

安田「いいんですよ。あなたの目から見た話を聞きたいんです。何だったんでしょう。」

井上「…予言の成就。

安田予言の成就?」

以下、井上嘉浩さんの「予言の成就」の説明が続きます。そして、

安田「強制捜査とはどう関係するんですか、それとは」

井上「それは、リムジンの中で」

安田「いやいや、どう関係するのかと聞いているの」

井上「だから、その答えなわけです。

リムジンの中で、サリンがまかれたからといって来るかどうかと聞かれたときに、

私としては、来ると決まっているんだったら来るんじゃないでしょうかと答えた。

だから、
私としては、強制捜査がサリンをまいたからといって来ないとは決して思っていなかった。

だから、その強制捜査のかかわりについては、僕としては判断できなかった。

それが現実です」

安田「つまり、あなたとしても、いわゆる強制捜査を阻止するということ、

あるいは強制捜査と関係するということでは、地下鉄サリンは読解できないでしょう


井上「あくまでも私はそのように認識したわけですが」

安田「あなたの中においてですよ」

井上「村井秀夫さんや松本智津夫氏がどう考えたかは、私は分かりません」

(
以上 裁判所速記官 伊藤直美)

 

                                                                                                     

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